だにぃのメモ帳

専門知識皆無の一般人が、使ってみたもの、気に入ったもの

小手先の高校演劇論【序文】

高校時代、高校演劇をやっていました(重言)。

大抵の高校演劇部がそうだと思うんですが、うちの高校も大会に参加する際はできるだけ他の参加校の上演も見るように、という方針だったので、例えば地区大会なんかでは15本ぐらいの作品を見るわけです。

クオリティは当然玉石混交で、中には上演の1時間がとても長く感じるものも多々あります。

ただ、そうした作品の中にも、必ず光るものはあって、「あぁ、この役者センスいいのになぁ」とか、「この創作脚本、発想はいいんだけどなぁ」とか、「もったいないなぁ」と(偉そうに)感じることがよくありました。

ぼくが所属していた高校は、たまたま県大会常連のそれなりに「強い」高校で、演劇経験のある顧問も3人いて、要所で的確なアドバイスをもらえるとても恵まれた環境だったんですが、そうじゃないところもたくさんあると思います。

ほんのちょっとしたことで、ずっと良い芝居になるし、良い芝居を作れたらもっと演劇を楽しめるのに、教えてくれる顧問や先輩がいないがためにそれを知らないままで演劇を2年とか3年続けて終わってしまうのは、やはりとてももったいないし残念だなぁ、と思うんです。

と、偉そうに書いているお前は誰なんだ、という話になると思うので、ぼくの演劇での実績を簡単に述べると、

・高校演劇部で自作の創作脚本を、地区大会、合同発表会で3作品上演

・うち一本でブロック大会に出場

・それらの脚本を昨年まで毎年約20団体に使用許可

という感じです。

これは、あの、決して自慢してるわけではなくて、むしろ逆に、この程度のもんだよ、ということをお知らせするためです。

脚本も自分一人で書いたわけではなく、部員や顧問に助けてもらいながら、アイディアをもらいながらなんとか完成させたものだし、全国大会までいったとか、卒業後人気劇団を旗揚げしたとか、そういう人たちのような際立った才能があったわけでもなく、なので当然演劇を深く理解しているわけもなく、本質を捉えたアドバイスができるわけではありません。

 

なので「小手先」です。

 

全国大会の最優秀を目指すぞ、とか、俺たちの作品で高校演劇を、いや、日本の、いや、世界の演劇を変えてやるぞ、というような志を持っている人たちにぼくが伝えられることは何もありません。

そういう大きなことを成し遂げようと思ったらやっぱり小手先ではダメです。

プロやセミプロの演劇人がネットにちゃんとした演劇論をたくさん書いてくれているので、そういうのを読んで勉強しましょう。

でも、最低限の方法論や、ちょっとしたコツを知っているだけでも全然良くなる場合もたくさんあると思うんです。

正攻法でいけば、「良いお芝居をたくさん観て、良いところを盗むんだよ」ということになるかもしれませんが、目からうろこが落ちるような良いお芝居にはそう頻繁に出会えないし、観るのにもコストがかかるし、何より、高校演劇の3年間(多くの人にとっては2年の3月に引退するまでの2年間)はあまりにも短い。

練習をみてくれる顧問もおらず、先輩たちに教わったやり方でやってるけど、イマイチ面白い劇にならない。

一度でいいから自分たちの作品でお客さんに爆笑させたい、泣かせたい。

でも、何をどうしたら良いのかが分からない。

そういう人たちのために、もしちょっとでもヒントにしてもらえたら良いな、と思い、さらっと読んで翌日の練習からすぐに実践できそうな小手先の演劇論を、これからちまちま不定期に書いていこうと思います。

コロナのせいで全国大会も中止になって、地区大会の開催も微妙で、本当にやりきれない思いをみんなが抱えている中で、今こんなこと書いてどうなるんだという気もしますが、まぁ、そもそも現時点でほとんどこのブログの読者もいないと思うので、いつかメッセージボトルみたいにネットの海を漂ってだれかに見つけてもらって、ちょっと役立ててもらえたらいいな。という感じです。はい。